助けてっていって

苦しい、ツライって泣いてみせてよ。



それだけで、俺は喜んでキミにすべてを捧げられるのに。







16.嵐のまえぶれ  後






がようやくカカシとムサシが一緒にいない生活に慣れたころ。



恐れていた、それは起きた。



「あれは・・・さん?」

イルカは街中で遠くからを見かけた。
別にが街中を歩いていること自体は、さして珍しいことではないがイルカが気になったのはその時間帯である。


確か、いつもならこの時間はカカシさんのところにいるはずなのに。


しかも、分かりづらいが今まで接触したことのなさそうなくの一数名が少し前を歩いており
どうやら連れられているような雰囲気さえ感じられる。
そうこうしているうちに、たちはある奥まった一角へと曲がっていった。


・・・少し、嫌な予感がするな。


の交友関係にまで口を出すのは差し出がましいような気もした。
しかしイルカは後でになんと言われようと、その場に割って入らねばならぬような
焦りにも似た何かを本能的に感じた。



背中を冷や汗が一筋伝う。



思わず駆け出して、女たちが曲がっていった場所へと向かうとそこには目を疑う光景が。


「・・・アンタら、その人になにをした?!」


「誰?」

イルカが見たのは、その場に膝をつくを数人の女たちが囲む姿。
の目は虚ろで、心ここに在らずである。


まさか、・・・そんなまさか。

「どけ!!!」

イルカはすぐさま目の前にたちはだかった女たちを突飛ばし、に駆け寄った。

「解!」
に軽くチャクラを流してやると、ハッとした表情を浮かべ状況が掴めないのか
怯えた様子でキョロキョロと辺りを見回している。


さん?!」


「あ、・・・イル・・カさん?」

イルカは肩に手を置きこれ以上を怯えさせないようにしながらも、
抑えても抑えても次々と自分から湧き出る怒りを感じていた。



「アンタら・・・自分たちが何したか、分かってんのか。」



くの一たちのリーダー格の1人が答えた。

「なにって、悪いのはこの女でしょ?」

それを皮切りに他の女たちも次々と口をはさむ。

「そうよ、チョロチョロとカカシ上忍の周りうろついて。ウザいったらないわ!」
「こいつのせいではたけ上忍が付き合い悪くなったんだから、自業自得よ。」

への醜い嫉妬の言葉が遠慮なく浴びせられるが、
当の本人は虚ろな瞳のまま聞こえているのかすらわからない。

「だからって、・・・この人は一般人だぞ!」

イルカはキッ、と頭上の女たちを睨み殺気を放ったが気にもとめずに平然としている。


「だから?」


「だから、・・・だとッ!?一介の忍がなんの害もない一般人に幻術をかけていいと思ってるのか?」

「害がない?害じゃない、ねぇ?」

「アハハハ、忍犬にまで守られてお姫様にでもなったつもり?」


くの一特有の、甘い毒のような殺気が辺りに立ち込める。
吐き気がする程の、女を強調したニオイがイルカの鼻をつく。


「ふざけるな・・・。」


お姫様だって?
それならどんなによかったことだろう。

知らぬ世界にたった一人、必死に身体はって信用されることから始めることがどんなに大変か。
疑われることが前提で、簡単に足場が崩れ去る立場がどんなに心細いことか。

火影様や俺やナルト、カカシさんたちから得た信頼は彼女自身が苦労してようやく手にいれたものであって
アンタらが言うように初めから簡単にそこにあったものなんかじゃ、決してない。


「なんで、・・・なんで。」
イルカは苛立ち、悔しさに溢れた。

どうしてさんが、こんな目にあわなくちゃならない。
どうして、1番最初に出会ったのが俺じゃなかったんだ。

どうして俺は肝心な所でこの人を守ってあげられない・・・どうして、どうして。


「まぁ、見た所あんたも助けにきたはいいけど大したことなさそうね。中忍ってとこ?」

「あんたも可哀想ねぇ?こんな女のために身体はって、なーにこいつってそんなに具合がいいわけ〜。」

「キャハハハ、清純そうな顔してアタシたちよりよっぽど淫乱だったりしてぇ〜〜。」

女たちは口々に勝手なことを言っている。
しかし、イルカは徐々に冷静になっていくのを感じた。


たくさんの殺気に当てられて、さんの様子が幻術をかけられた時よりさらに異常になってきている。


目の焦点があっておらず、呼吸こそ穏やかだがブツブツと内容が聞き取れない程度の声でなにやらずっと呟いている。

はやく、この場から離れなくては・・・さんの精神が危ない。

しかしイルカが逃げ出す算段をつけようとしたのを、女たちのうちの一人が鋭く感ずいた。


「もう、ここまできたら2人とも消しちゃえば?」


ピクッ、とイルカは肩を揺らす。
いくら男のイルカでも、さすがに相手が女であろうとを守りながらこれだけの人数と対峙するのは厳しいものがある。

「ダメよ、さすがに里の忍に手を出すのはマズイわ。」

「じゃあ、こいつの記憶消してこの女だけやっちゃえば?」

その言葉に、イルカはクナイを手に構えた。
女の1人が印を結び始めたその時。


「お前ら!そこでなにやってる?!」


急にこちらに向かって、怒鳴り声が響き誰かが近いてきた。

「ッチ、いくよ。」
同じ里の忍同士の私闘はご法度。
リーダー格の女の素早い合図で、他の女たちも次々と瞬身の術でわずかな煙だけを残してその場から消えていく。


「・・・取り敢えずは助かった。」
イルカが、少しだけ肩の力を抜くとその場にやってきたのは黒い布を頭に巻いた大柄な男。


「イビキさん、助かりました・・・ありがとうございます。」

「イルカか?・・・その女は?」
イルカに身体を預け、ぐったりとしたを見て言う。


「くの一たちに・・・幻術を、かけられまして。」

「なに?」

「とにかくはやく病院に」

イルカがを素早く抱き上げると、腕の中でぐったりしていたはずの彼女がベストを掴んだ。
どこにそんな力が残っていたんだろう、とイルカは驚きながらもを見た。


「私、平気・・・です。」

「ッ・・なにを、」

「少し休めば大丈夫ですから。」

そうは言うが、表情には明らかに精神的なダメージがみてとれる。


「イルカ、取り敢えず俺んとこに連れてこい。話はそれからだ。」

「はい。」

イビキにそう言われ、イルカが向かった先は拷問・尋問部が普段待機しているところで
そのうちのいつもなら尋問に使われるであろう個室に、を降ろすように言われた。

はというと、あの会話が精一杯だったらしく場を離れて間もなく気を失っていた。



「一体どういうことだ。」

「俺にもよくわかりませんが、嫌な予感がして・・・駆けつけた時には術をかけられていました。」

「この子とは知り合いか?」

「はい。」

「そうか。」

イルカはベッドに横たわるからずっと目を離せずにいた。


「まぁ、分かりやすく言えば女の嫉妬ですよ。・・・カカシさんがらみの。」


イルカがそう言うと、イビキはちっとも読めない話に急に納得がいったようだった。
「そいつはそのお嬢さんも災難だったな。」

さんはただの一般人なんですよ?!なのに・・・ッ、同じ里の仲間がこんなことするなんて信じられません。」

ポンッ、とイビキはイルカの肩に手をおき落ち着くように言った。

「まぁ、女っつーのは色恋絡むと見境なくなるからな。」

「でも!」

「とにかく、この嬢ちゃんの目が覚めたら出来る限りの事はやってやるよ。」

「???」

イルカはイビキの言わんとすることが掴めない。


「俺を誰だと思ってる。精神に関してはスペシャリストの森乃イビキ様だぞ。」
慣れない者が見れば、猛獣が獲物を見つけてニヤリとしたのだと勘違いをしそうな顔を浮かべた。


・・・・このなりで実はすっごく優しいってんだから驚きだよな。


病院は嫌だと言ったに、イビキがなんとかしてくれるならば取り敢えずは一安心なイルカだった。



その後、うなされていたをみかねたイルカがすぐに起こしイビキを紹介してその場でイビキのカウンセリングが始まった。
その辺の事に関しては全く知識がないイルカは、部屋の隅でぼんやりと眺めながら終わるのを待つ。



「その部分だけ記憶を消してしまうことも出来るが・・・どうする?」

イビキの問いに、は首を横にふる。

「そのままで、大丈夫です。」

「そうか、わかった。・・イルカ。」

突然、名を呼ばれこちらに来るように言われた。



「嬢ちゃん、それからイルカもよく知っておいて欲しい。」

「はい、なんでしょう?」

2人とも、目をパチパチさせながら話しの続きを待つ。


「心に受けた傷っていうのは、身体に受けた傷よりも治りにくい上に見えねぇ。それはわかるな?」

「「はい。」」

「だから、時間もかかるし本当なら何回かカウンセリングを続けるべきなんだが、
・・・その辺は嬢ちゃんがいいってんだからしょうがねぇか。」

はそう何度もお世話になるのは悪い、とイビキの申し出を断っていた。


「で、だ。なにが厄介かってーとこういうのは何かのきっかけで簡単によみがえる。
 そのスイッチがなにかはその時になってみないとわからねぇし、突然だから他人に理解もされにくい。
 その辺よく理解しといたほうがいい。」


「・・・わかりました。」
「はい。」


「イルカ、当の本人のカカシがあんなんだ。目が覚めるまでなにかとついててやれ。
あと、最後に嬢ちゃん。・・・これは俺からのアドバイスだ。」

「はい・・・?」

少しあいた間に、はごくりと息を飲んで。
またしても、見るからに極悪そうな笑みをイビキは浮かべると。


「アイツが起きたら、一発ぶん殴ってやれ。きっとすぐによくなる。」


「え、・・・なぐるんですか?」

「イビキさん、なに言い出すかと思えば。」
イルカはそれがイビキの冗談だとわかり、顔を崩した。

「イルカは殴ってやりたくても立場上無理だからな。」

「当たり前です。そんなことしたら俺の首が飛びますよ。」

「まぁ、冗談はおいといてだ。あんまり自分を追い詰めるなよ。」

「はい、わかりました。」

は退室しようと椅子から立ち上がり、お礼を言ってイルカとドアに向かった。



「そういえば嬢ちゃん、名前はなんてんだ?」
別れ際になってイビキはそういえば名前を聞いていないことに気がついた。

です。」

か、いい名前だな。」

「ありがとうございます。」
この時、ようやくイビキはまともらしい笑顔を初めて見た。

「なんかあったらいつでもイルカに連れてきてもらえ。」

「はい、そうさせて頂きますね。」

最後にもう1番ぺこりと頭を下げて、イルカと出ていくを見送ってイビキは1人ごちた。


・・・そりゃ、こいつらが夢中になるわけだ。




それから数日間は、ごく平和にすぎた。
火影様にくの一たちのことを報告すると言ったイルカに、はイルカさんに被害が及ぶといけないからと食い下がった。


本当の理由は違うような気もしたが。


それじゃあ、とイルカは以前にましての元を訪れるようになり出来る限りの送り迎えも行った。


「そんなにしていただかなくても私なら大丈夫ですよ。」

「ダメです!もうこの事に関してはさんの意見はあまり尊重しないことにしたんです、俺。」

そんなー。と情けない声を出したにクスクスと静かに2人笑った。


カカシさんが目覚めなければいいのに。


この時イルカはやっと笑うようになったに、不謹慎にもそう思ってしまった。
しかしすぐに、眠ったままのカカシではいつまでたってもがきちんと笑えないままだと思い直す。


もう、どちらにしてもにとっての自分の位置が都合のよいものでしかないことなどとっくに分かっていた。

それでも

それでも、のそばを離れられずにいるのはどうしてだろうな。


苦しいのに、なくしてしまいたいのに。


イルカはへの気持ちをいつまでたっても消せなかった。




の様子が再びおかしくなり始めたのは、木の葉の里の木々たちが赤や黄色といった秋の装いをはじめたころ。

いつものように隣の部屋の扉までの距離がずいぶんとあるカカシの病室の前にイルカは立っていた。


コンコン。


ノックをしても、返事がない。
もう一度ノックをしてしばらく待ってみたが、中からはなにも反応がなくシン、としている。

出払っているのだろうか。

イルカが恐る恐る引き戸をひいて中を覗くと、予想に反してそこにはカカシの傍らに静かに座り
じっとカカシを見つめたままのがいた。


さん・・・?」


近づいて名を呼ぶが反応はない。
イルカはの様子に少し違和感を感じて、今度はその肩を揺らして名を呼んだ。

さん。」

そうしてようやくは視線を外してこちらを向いた。


「イルカさん、・・・いらしてたんですね。すみません気がつかなくって。」


はすぐに笑って席を立ち、お茶の準備にかかった。
イルカは自分の分の椅子を出しながら、その横顔をチラチラと盗み見る。


さん、また痩せたな。


カカシがここに運ばれてからずいぶんと時が経とうとしていたが、ここにきて体重の落ち方がさらにひどくなったような気がした。

「ご飯、ちゃんと食べてます?」

「えぇ、それなりにちゃんと食べてますよ。お茶、どうぞ。」

そう言ってはイルカにマグカップを手渡した。


あの女たちがまたなにか仕掛けてきたかもしれないとイルカは思ったが、下手なことは言えない。
万が一違った場合、なにがスイッチであの日のことがフラッシュバックするかわからないのだ。

「ありがとうございます。」



次の日も、その次の日も
イルカはアカデミーでの授業終わりにのもとへとかけつけたが、状態は悪くなる一方だった。


「・・・、さん?」


病室に入るとカカシの手を握り心臓に耳を当て、じっと眠る姿を見つめたまま少しも動かないの姿が目に飛び込む。
初めは眠っているのかと思うほど、は自分が現れても微動だにしなかった。


「・・・・ッ・・。」


さんがどんどんさんじゃなくなっていく姿に。
自分の不甲斐なさと底知れぬ恐怖感に泣きそうになるのを必死にこらえて、俺は無言でそのまま部屋を飛び出した。




そんなの異変に気づいたのはイルカだけではなかった。


コンコン。


「あれ?あいついねェーのか。」

ゲンマは返事のない病室のドアをあけ、中を覗いた。


「オイ、〜いるんじゃねェか。だったら返事くらいしろよー・・・って、?」


彼女はカカシの手を握りながら、ベッドサイドに頭をうずめぴったりと寄り添うようにして動かない。

「寝てんのか?」

ゲンマは反対側に周り、の顔をのぞきこむ。


「!!?」


寝ているのかと思ったは、虚ろな瞳にカカシを映しじっと動かない。
背筋が凍るような、の異様な姿にゲンマは思わず肩を揺すって呼び掛けた。


「オイ!!どうした、お前・・・」


「・・・ゲンマさん・・・?」

ようやく気がついたのか、はその身体をゆっくりと起こし瞳はわずかに虚ろなまま今はゲンマをそこに映して答えた。


「お前、大丈夫か?どうしたんだよ・・・こんなにやつれて。」


触れた頬は、以前に比べてだいぶ丸みを失い赤みがさしていたころのものとは見てわかるほどに違っていた。


「そうですかね?・・・でも、大丈夫ですよ。」

「嘘つけ、んな顔して大丈夫な訳あるかよ。、ちゃんと食ってっか?寝てんのか?」


逃げるように下を向くを、ゲンマは強引にその頬をつかんで上を向かせた。


その瞳の奥には何も映らず。
表情は、ない。


「・・・ちょっと来い。」

素早くがいる側に回り、カカシの手を握るの腕をとってゲンマは無理矢理ドアへと歩き出した。


「放してください。」

「ダメだ。」


パシッ。


「はなして!」

腕を振りほどかれ、ゲンマは険しい表情で振り向いた。


・・・でも、お前そのままじゃ」

「私のことは放っておいてください。」




「ッ、・・・んなことできっかよ!」



ゲンマは思わず、を抱きしめていた。


「ゲンマさん・・・。」


そういえば、こいつにこんな風にするのは初めてだっけな。

今度は大人しくしているに、ゲンマはよりいっそうその存在の頼りなさを感じた。


ホントはもっと、違うはずだ。

フラフラになって、
こんなになるまでやつれて。



のまぶしいくらいの、あの笑顔はどこにいった?


「・・・美味しくないんです。」

「え?」

呟くように言う、彼女の言葉をゲンマは必死に拾い上げた。


「ご飯、だからあんまり食べる気しなくって。・・・眠ろうとしても、よくないことしか浮かばないし。」

・・・。」

「怖いんです。」

涙も流さずに淡々とそう告げるに、ゲンマはただ抱きしめてやることしか出来なかった。




「・・・俺じゃダメなのか。」





「お前がカカシさんを想ってんのは知ってる。それでもいい、俺がカカシさんの分まで愛してやるから。」

今のお前、もう見てらんねェよ。



必死な想いにも、はゲンマの身体を押して腕の中から離れた。


?」

はなにも言わず、静かにただ首を横に振る。



「そうか。・・・でもうっとーしいって言われたってお前のこと支えるからな、俺は。」



その言葉には少し困ったように笑って、再びカカシのもとへと戻った。




それからゲンマは、の状態を1番通っていると思われるイルカに相談した。

「・・・んな事があったとはな。」

「えぇ、でもそこまでとは・・・。正直、驚きました。」

放っとくと面会時間をすぎても病室にいると看護師から相談を受けた2人は、
それ以来交代で毎日かかさずの送り迎えをすることに決めた。





「紅さんが、さんに会ったんですか?!」

イルカは目の前の人物が上忍であることを忘れて、今にもつかみかかりそうになっていた。


「あ?そ、そうらしいけど・・・紅に会わせちゃまずかったんか?」


これではっきりした。


「紅さん、なにか言ってませんでした?」

「ん〜〜そういやぁ、どこか怯えた風ではあった。とは言ってたな。
 殺気でも漏れてたんじゃねェのかっつったんだけどよ、んな訳ねェってどやされたな。」

ここ数日での、の体重の減り具合や睡眠の少なさ、異常なまでのカカシへの依存の理由がようやく分かった。




フラッシュバック、したんだ。



イルカが病室にいると、そこに偶然アスマが見舞いに訪れた。
の様子をみて心配したアスマをロビーに連れ出し、話をしている中でわかったことだった。


「はぁ。」

隣で盛大にため息をつくイルカに、なにかマズイことでもあったのかとアスマは不審がる。

「やっぱり、になんかあったのか。」


「アスマさん、他言無用でお願いします。」

声をひそめ緊張感を含んだイルカの声に、つられてアスマも少し緊張した。


「以前、さんは幻術をかけられてるんです。」

「・・・。」

意味を図りかねて、元々いかつい顔にさらにアスマの眉間の皺が増え怖さがます。

「カカシさんと関わりのあるくの一たちの仕業でした。」

「それで紅を見て怯えてたって訳か?」

「はい、恐らく。その後、たまたま居合わせたイビキさんに処置はしていただいたんですが
 ・・・何がきっかけでよみがえるかわからないそうですから。」

イルカは怒りと悔しさで、震えるほどに己の拳を握りしめた。
もう、そこにあるのは痛みだけでなにをどうしていいのかもわからない。


「そうか・・・だからあんなになりながらカカシにべったりして。・・・イルカ、やめとけ。」

なにを、そういいかけてやめた。
口をつぐんだイルカにアスマはそんなの決まってんじゃねェか、と言う。




「悪いのは全部アイツだ。」



わかってる。
さんがこんなことになったのも、

全部、全部あの人がいけないんだ。



だけど、カカシさんだけのせいじゃないことも痛いほどわかっていて



「もう、さっさと目・・・覚ませよ。」

ここまできたら、トコトン自分の気が済むまでさんを好きでいようと思った。


想うだけなら

きっと勝手だ。



ねぇ、さん。
もっともっと俺を頼ってください。

もっと、俺に支えさせてくださいよ。



俺はアナタに笑って欲しいんです。













すみません、書いてるワタクシもツライです(涙

もうなんだかゲンマさんの口調とかイルカ先生に対してって敬語つかってたっけとか、
わけわかんなくなって余計時間かかりました。


っていうか・・・結局カカシ先生の発言いっこもない(ぐはぁ


すみません、もう今回はイルカ先生の独壇場になってしまいました。
あと、ちょっとゲンマにぃちゃんが活躍です。

なんか、イルカ先生のキャラといいますかポジションうんぬんがイマイチしっくりきません。
ワタクシ的にもっとイルカ先生をダークに、どろどろとさせたいのですが・・・。
う〜〜ん。そうすると、ずるずるしそうでなんだかもにょもにょしてますー。

イルカ先生や周りの人に寄りかかってしまえばいいのに、とはがゆく思った方もいらっしゃるとおもいます。
ただ、そこは一心にカカシ先生を想うヒロインの気持ちを表現できたらなーと思いまして。
想いすぎて逆に周りに心配かけすぎてしまってますが(汗
信用してないわけではないのですが、ヒロインの意地といいますか。

こんな時に、ムサシはなにしてるんだ!ってかんじですよね〜。
ムサシは普段どこか知らない場所にいて、カカシ先生しか口寄せできないのでーす。
ということに、しています。その辺の設定うやむやにしすぎですよね・・・
ま、作者の都合よく事実はまげられるものですw


ちょっと文章にしていたら、長くなりすぎたのでぶったぎって1話多くしてみました。
もうちょっと続きます。